「酒類業界の変遷と笹の川酒造」のご報告

「酒類業界の変遷と笹の川酒造」のご報告

日 時:平成30年7月28日 AM6:00~7:00
会 場:なりた温泉
テーマ:「酒類業界の変遷と笹の川酒造」
講 師:笹の川酒造 代表取締役 山 口 哲 蔵 氏

 記念すべき第100回目のモーニングセミナーの講師は、山口哲蔵氏です。郡山で創業253年目を迎えた老舗酒造メーカーの社長さんです。山口家では、10代目の当主です。
 笹の川酒造では、本業の日本酒の製造販売のほかに、ウィスキーなどの洋酒や焼酎も製造しています。
 日本酒部門では、新酒鑑評会で金賞蔵元数6年連続日本一の福島県でも、生産量が年々減少するなど苦戦が続いているとのこと。2度のブームに沸いた焼酎部門も、東日本大震災で大きな打撃を蒙ってしまったとのことでした。
 太平洋戦争中の清酒の原材料不足に悩んだ末に取り組んだのが、二級ウィスキーづくり。製造許可が下りたのは、戦後の昭和21年。「チェリー」という名で、爆発的に売れたそうです。しかし、酒税法改定から冬の時代に。それでも、こつこつとウイスキーの出荷を続けたとのこと。ウィスキーは5年から10年かけてようやく製品としてでき上がるので、一度始めたらやめることができない大変な仕事。現在は、ジャパニーズウィスキーの品質とまろやかさが海外で評判になり、オファーが増大とのこと。
 様々な紆余曲折があったものの、酒類のメーカーとしてやってこれたのは、将来の見極めと信念を持った経営のおかげと。「どうやって次につなげるか。とにかく、続けることが目標」と語る山口さんの目に、燃える信念を感じました。ありがとうございました。