第809回「議員人生の今までと、これからと」

第809回「議員人生の今までと、これからと」

4月3日(水) 第809回 

テーマ 「議員人生の今までと、これからと」
講師   渡部 寬一(わたなべ かんいち)氏  南相馬市議会議員

聴きどころ  
「市民の声・要求を市政に伝え、市民の命と暮らしを守り応援する」その気持ちを常に大切に考えて議員人生を歩んできたその思いをお伝えます。

渡部寬一の略歴   てんでダメな【寬一】
➀ 農家の長男として生まれ育つ⇒ なんの疑問も持たず、父親の遺言で?相馬農業高校に。
➁ 福島県農業短期大学校に進学(農業科)⇒ 農業科は農業改良普及員を養成するコース
➂ 農業に展望が持てない時代になっていく中、卒業間近の1972年12月の総選挙時に、日本共産党の農業政策に共感を持つ ⇒ 共産党の事務所に行き、入党を申し込む。
➃ 農業改良普及員の資格をもってして、地元の福浦農協に入職。
  営農指導員として主に「稲作」「農業経営」を担当。
➄ 1985年の小高町議会議員補欠選挙に立候補・当選。(告示1週間前に仲間に羽交い絞めにされて髭を剃られてしまう。)
  2006年、農協を退職。


植物相手の仕事で ここをおさえてみると判る
 植物の生長は     ※動物 ⇒ 成長
 ➀ 栄養生長期間 ⇒ 体を作る生長期間
 ➁ 生殖生長期間 ⇒ 子孫を残すための生長期間
 ある日突然、栄養生長から生殖生長に変わる。
 基本栄養生長期間に左右されるも ⇒ 日長に強く反応するもの【感光性】
                 ⇒ 温度(高温:低温)に強く反応するもの【感温性】

 人生にも、市政にも共通するのでは


県や国の専門家が指導・編集しているからと100%信用してはいけない
⇒ 福島県病害虫防除(基準)指針での経験から
  ➀ 水稲(苗を含む)指針、基準、農薬等の登録を現場から変えさせる・創らせる。
  ➁ 小高区内だけでも海側、山側、中間部では、それぞれ気温が大きく異なる。
   ※ 相馬市の気温は相馬市成田  浪江の気温は上ノ原  いわきの気温は小名浜
     ⇒ それぞれ百葉箱の設置と時期温度計を設置し、観測を続ける。
※ 水稲は、花粉ができる時期に17℃を下回ると、花粉がうまくできなくなる。
  ⇒ 籾はできても、実が入らなくなる。


市民の声・要求を市政に生かす 市民の命とくらし守り、応援する
 議会を通じて南相馬市が、県内・全国に先駆けての実現してきた施策
  ➀ 国民健康保険税での、18歳以下の均等割課税を廃止
   ※ 国保税の課税は ⇒ 応益割り ⇒ 世帯割りと均等(人数)割
              応能割り ⇒ 資産割りと所得割(資産割りは廃止済み)

  ➁ 学校給食の無料化(保育所・幼稚園も無料)
   ※日本国憲法 第二十六条の2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
   ※学校給食法第一条 この法律は、(中略)児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、(後略)
     同   第二条 学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。
 そして具体的に「食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと」「食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、」「食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと」「優れた伝統的な食文化についての理解を深めること」

  ➂ 高齢者の補聴器購入補助 今年度からスタート
  「福島県内では初めての市町村」「全国でも稀」
   2022年12月議会での渡部寬一の質問からの抜粋
⇒  南相馬市は、東日本大震災とそして何よりも原発事故によって人口が激減をしております。同時に、これも原発事故によるものが大ですが、高齢化率が大変に高くなっています。本年10月末での住民基本台帳での高齢化率は36.8%、実際の居住先では34.8%になっております。
 我が国の高齢化率は、本年の敬老の日9月15日現在で29.1%ですから、8ポイントも高い高齢化率であります。その中でも小高区の高齢化率はとんでもなく高く、住民基本台帳上は45%であります。実際に小高に居住している方の高齢化率は49%に及びます。
 南相馬市に求められているのは、子どもを産み育てる最良の地にしていくと同時に、超超高齢化率の地域にふさわしい「高齢者と言われるようになっても生き生きと暮らせる最良の地」にしていくことであります。
 さて、生き生きと生きていく上では様々な問題がありますが、その一つに難聴・よく聞こえないことがあります。(中略)難聴があると周囲と会話しなくなって、生活が不活発になります。社会的孤立につながるばかりか、家族からも孤立をいたします。耳から入る情報が減って脳の神経が使われなくなり、認知機能に影響を及ぼしているとも指摘されております。(中略)難聴を放置することが認知症の最大のリスクとしております。
本認知症予防学会の初代理事長を務めました鳥取大学医学部の浦上克哉教授の今月に入ってからのお話でございます。(中略) 教授は、予防方法は補聴器を使うことと断定をしております。聞こえにくさを感じたら、早めに使うことを勧めております。

【高齢者補聴器購入費助成事業】
⑴ 2023年度当初予算額 820万円
⑵ 目的 補聴器購入に係る経費を支援することにより、高齢者の認知症予防を図る。
⑶ 補助内容 医師に難聴の程度区分が「中程度」「やや高度」と診断された65歳以上の方へ助成します。
・非課税世帯⇒ 購入額の2/3 上限10万円
・課税世帯⇒ 購入額の1/2 上限7万5千円
 なんと、ところが  当初予算では足りなくなることが見込まれ、9月議会で補正予算を。
        「補正予算724万円:当初見込み件数は100件だったが、145件とする。」


市民の命とくらしを守り、応援する南相馬市政に
⇒  市民の声を聴き、市民と力を合わせて、市政を動かしていく